今回は、2021年8月の新築・中古マンションの市場動向を見ながら、マンション市場の動向を紹介したい。
東京オリンピック・パラリンピック後、不動産市場は堅調だ。新築マンションの完売物件も相次いでいる。
最新の首都圏新築マンション市況は?
021年8月の首都圏新築マンションの供給戸数は、昨年同期比16.2%増加の1,940戸。2カ月ぶりに対前年同期比で増加している(参考:不動産経済研究所発表の「首都圏のマンション市場動向 2021年8月度」)。
新築マンションの1戸当たりの平均価格は7,452万円、前年同月(6,011万円)比で24.0%アップ。1㎡当たりの単価は117.8万円、前年同月(93.3万円)比で26.3%アップした。
契約率は73.0%で、前年同月(68.50%)比では4.5ポイントのアップ、前月(68.30%)比では4.7ポイントアップ。
販売在庫は、5,889戸で前月よりも198戸の減少。前年同月の6,856戸よりも1,000戸近く少なくなっている。なお販売在庫が5,000戸台となるのは、2018年10月以来で、新築マンション市場の好調さを表している。
また、新築マンションの地域別の新規発売戸数は下表のようになっており、前年同月と比べ1都3県で増加している。
首都圏の新築マンション新規発売戸数
都区部……839戸(前年同月比+42.4%)
都下………234戸(前年同月比+39.3%)
神奈川県…631戸(前年同月比+19.1%)
埼玉県……162戸(前年同月比-8.0%)
千葉県……74戸(前年同月比-64.1%)
なお、2021年8月度の都区部の平均価格は、1億812万円で前年同月比57.0%上昇、ついに1億円を突破した。㎡単価は、170.6万円で前年同月比41.5%上昇した。都区部の価格上昇が鮮明になってきている。2021年8月度の都区部の契約率は、72.5%で売れ行きも堅調だ。
不動産経済研究所によれば、2021年下半期は供給戸数が増え通年では新築マンションの供給戸数が2020年を上回る見込みだ。首都圏の中古マンション価格は、直近1年間で7.9%上昇しているが、経済が平時に戻りつつあることを踏まえると、もう一段階上昇してもおかしくない。「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」など注目物件が揃う今秋は、マンション購入の好機といえる。
中古マンション成約件数は、前年同月よりも減少、価格は上昇
2021年8月度の首都圏中古マンションの成約件数は2,615件で、前年同月(3,053件)比で14.3%減少した(参考:東日本不動産流通機構発表の「2021年8月度の中古マンション月例速報」)。
首都圏中古マンションの平均成約価格は、前年同月比で+3.5%の3,773万円。平均成約㎡単価は、59.20万円、前年同月比で+7.9%と、依然として上昇トレンドが続く。地域別では、以下の通りとなっている。
首都圏の中古マンション成約㎡単価
都区部……………89.35万円(前年同月比+12.2%)
都下(多摩)……46.31万円(前年同月比+9.8%)
神奈川県
横浜・川崎市……52.42万円(前年同月比+6.8%)
神奈川県その他…34.29万円(前年同月比+0.2%)
埼玉県……………36.16万円(前年同月比+9.9%)
千葉県……………33.24万円(前年同月比+15.2%) 2021年8月の首都圏中古マンション新規登録件数は、12,319件となっており、減少傾向にある。前年同月(14,069件)比で12.4%の減少。2021年8月末時点の在庫件数は、34,594件となっており、前年同月(42,731件)比で19.0%の減少だ。しかし対前年同月比で成約件数が減ったこともあり、2カ月連続で在庫件数は増加している。